1998年にスタートした、原爆ドーム前の元安川対岸を舞台にした平和コンサートは、今年で20周年を迎えます。
この20年、平和記念式典前日の8月5日、原爆ドーム前の人々の想いは、音楽と共にありました。

原子爆弾が広島を襲ったあの年から、72年。
これまで、世界中から数え切れないほどの人が原爆ドームを訪れました。
今では焼け野原からは想像もできない、緑あふれる美しい街へと変わった広島。
それは力強い、世界の希望の象徴でもあります。
あの焼け野原から、人々はどのようにして、今の広島をつくって来られたのでしょうか。

それは人間に元来備わった、どんな状況の中でも希望を信じることができる、素晴らしい力のひとつだと思うのです。
そして、一人ひとりのその力の集合体ではないでしょうか。
わたしたちの持っている『希望を描く力』をひとつに集めれば、どんな夢でもかなえられると、
広島の大地は世界に語りかけているように思います。

音楽や芸術は、私たち人間を一瞬にして裸にしてくれます。
思想や宗教、言語や階級など様々な壁を超え、裸のこころで、結びつけてくれます。
私たちONE DREAM~広島国際平和芸術祭~は、その無限の可能性を使い、皆で仲良く楽しく幸せ
に暮らしたいという、誰もが心の底に持っている原始的な想いを集め、希望の象徴としての芸術祭を、
今後もここ広島で開催してゆきたいと思っております。

広島の大地と、ここに集う人々の想いを世界へと運ぶ、無色透明な容器として。
生命が助け合い、愛であふれる地球＝大きなひとつの夢を目指して。